CASES 予防医療実例のご紹介
ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

猫のウイルス性鼻気管炎(猫風邪)について

先日生後2か月の子猫で、頻回のくしゃみや流涙、眼やにが多いという症状の子が来院されました。
子猫さんということもあり、猫ウイルス性鼻気管炎(猫かぜ)としての治療を行いました。

この子の場合、食欲や元気もあり軽度な症状だったため、治療内容は二次感染予防のための抗生物質と免疫を上げるためのインターフェロン入りの点眼点鼻薬の処方のみとなりました。
2週間経過後の再診ではくしゃみや眼やにも出なくなり、改善が見られました。
【猫ウイルス性鼻気管炎】 『 FVR 』や『 猫風邪 』とも呼ばれる感染症で、猫ヘルペスウイルスが主な原因となります。

主な症状としては、
・くしゃみや鼻水
・発熱
・食欲低下
・結膜炎
などが挙げられます。
鼻水が多量に分泌されたり、長期にわたる鼻腔の炎症で鼻腔内狭窄などが起こります。それが原因となり、ご飯の匂いがわからず食欲低下による衰弱や脱水を引き起こしてしまうこともあります。
また治療が遅れると肺炎を引き起こしてしまったり、他の感染症と同時に感染することにより症状が悪化してしまうこともあります。

母猫からの抗体がなくなる1~2か月齢前後の子猫に多く見られます。
また、無症状であってもウイルスを保有しており、高齢化や冬場の低体温、環境の変化によるストレスなどが原因となり、免疫が落ちて発症というケースもあります。

このウイルスは感染力が非常に強く、
・感染猫の涙や唾液などの分泌液を介して
・感染猫に触れた人間から
・感染した母猫から産まれた
など、様々な感染経路が考えられます。
この病気は一度かかってしまうと完治が難しく、症状に合わせた治療しか行えません。
とても身近でありながら最悪死亡するリスクもあるこの感染症から猫ちゃんを守るためにも年に一度のワクチン接種がオススメです。

当院で扱いのあるワクチンは3種と5種になります。
どちらのワクチンでも『猫ウイルス性鼻気管炎』は予防することができます。


この感染症の他にも、ワクチンについてなど、何かご不明点などございましたらお気軽にお問い合わせください。


文責:看護師 松村

本駒込動物動物病院
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