膵炎とは、膵臓の消化酵素が膵臓を刺激し炎症を起こすことが原因で起こります。
肥満の犬や高脂肪食を食べている犬、またミニチュア・シュナウザーやヨークシャーテリアなどで多く発症します。
症状として〈腹痛〉〈食欲不振〉〈嘔吐〉などが挙げられます。
1週間程度の内服などで良化することが多いですが、重症化してしまうこともあります。
今回は急性膵炎と診断されたヨークシャーテリア、13歳、避妊メスの1例について紹介したいと思います。
前日より食欲低下と下痢が主訴で来院されました。
血液検査では膵炎の数値であるLIP100U/L(正常値:<120)でしたが、炎症の数値であるCRP2.4mg/dL(正常値:<0.3)でした。
また腹部痛も認められました。
これらのことから膵炎と診断し、皮下点滴と構成材、胃薬、痛み止めを注射しました。
翌日の血液検査ではLIP >1000と数値が上がっており、入院下に切り替え静脈点滴を開始しました。
その後もLIPは高値を推移していましたが、5日目に改善傾向があり、下痢などの症状も落ち着きました。
膵炎は重症化すると炎症が全身に広がり、全身性炎症反応症候群(SIRS)やショック状態、腎不全などの重篤な合併症を引き起こす場合があります。
食欲不振や、嘔吐・下痢が続くようであれば早めのラインをお勧めします。
何か気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。
文責:獣医師
横山
本駒込動物動物病院
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