ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。
< 特発性てんかんとは >
脳に明らかな構造異常や炎症がないにも関わらず、てんかん発作を繰り返し起こす疾患です。
一方、発作の原因となる脳腫瘍、脳炎、脳血管障害などが認められる場合は構造的てんかんに分類されます。
◯てんかん発作の主な症状
・全身の硬直や痙攣
・手足など部分的な痙攣
・意識消失
・流涎、排尿
発作が起こる前段階として、不安そうな様子、すり寄ってくる、隠れて怯えているなどの症状が認められる場合があります(前駆徴候)。
また、発作後に徘徊や一時的な失明が認められる場合があります(発作後徴候)。
◯てんかんの分類
・特発性てんかん…脳の構造異常が認められない
・構造的てんかん…画像検査等で脳に器質的異常が認められる(例: 脳炎、脳腫瘍、脳梗塞、脳血管障害、脳萎縮、先天性奇形など)
また、脳の病変ではなく、代謝異常や中毒など脳外要因による発作は反応性発作と呼ばれ、てんかん発作とは区別されます。
◯診断
頭部MRI検査、脳波検査、脳脊髄液検査等により診断します。
◯特発性てんかんの治療
治療の目標は「完治」ではなく、発作頻度と重症度を減らし、生活の質を維持することです。抗てんかん薬の内服などにより発作をコントロールします。
< 症例 >
犬 イタリアングレーハウンド
6歳齢 去勢雄
主訴:
突然の震えのあと、後肢に力が入らなくなり、そのまま横転。
発作は約5分間持続。
半年前にも同様の発作歴あり。
実施した検査と結果:
発作原因の精査のため、血液検査・頭部MRI検査・脳脊髄液(CSF)検査・脳波検査を実施しました。
血液検査:異常なし
MRI検査:異常所見なし
CSF検査:炎症所見なし
脳波検査:中心頭頂葉、中心前頭葉に多発する発作波を認める。
診断:
以下の理由から、構造的原因を認めないてんかん発作と判断し、特発性てんかんと診断しました。
発症年齢が好発年齢内(6歳)
発作の反復
画像検査およびCSFで器質的疾患を否定
脳波でてんかん性異常波を確認
治療と経過:
抗てんかん薬による内服治療を開始。
発作頻度の減少を目標に、薬剤の血中濃度測定を行いながら治療を継続しています。
飼い主様へ
以下のような発作症状は緊急対応が必要です。
・5分以上持続する
・短時間に繰り返す
異常がみられた場合は可能であれば動画記録し、早急にご相談ください。