CASES 症例紹介
ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

鼻腔内腫瘍の犬の1例(CT、鼻炎、軟骨肉腫、扁平上皮癌)

鼻腔内の腫瘤は、ほとんどが悪性の腫瘍です。
犬では腺癌が約半数を締め、続いて扁平上皮癌などの上皮系腫瘍が75%を占めています。
残りの25%には、非上皮系腫瘍の軟骨肉腫などが挙げられます。
症状として〈鼻出血〉〈鼻水〉〈くしゃみ〉〈呼吸困難〉などが挙げられますが、
ほとんどが特徴的な症状ではないため、進行してから発見されることが多い病気です。
腫瘍が進行すると、鼻や目などが圧迫され顔面変形などが認められます。
診断では画像検査が有用とされていますが、レントゲン検査では明らかな異常が写る場合が少ないため、
診断が困難な場合が多いのが現状です。
くしゃみの症状で来院された犬が、CT検査において腫瘍を発見した子を紹介します。
12歳のトイプードルで、2ヶ月前よりくしゃみに鮮血が混じるようになったとのことで来院されました。
以前の病院で抗生剤とスケーリング処置を行いましたが、症状の改善は認められないとのことでした。

下の画像が院内での鼻部のレントゲン検査の画像です。
左右の鼻腔を隔てている中核が少し右側に圧迫されている様子は認められますが、鼻腔内に明らかな腫瘤は確認できませんでした。
左の鼻腔内に綿棒を入れて細胞の検査をしたところ、悪性の細胞が認められたためCT検査を実施する流れとなりました。
下の画像がCT画像です。
レントゲン検査とは異なり明らかに左の鼻腔内に腫瘤が認められ、中隔を右側に圧迫しています。
鼻の出口から腫瘤を採取し、病理検査を実施したところ『軟骨肉腫』と診断されました。
本症例では放射線治療が適応と判断し、大学病院に紹介しております。
CT検査では、病気によってレントゲン検査より詳しく調べることが可能です。
人間とは異なり動物のCT検査では麻酔が必要となります。
ご質問がございましたら、ご気軽にご相談ください。




文責:獣医師 横山

本駒込動物動物病院
〒113-0021 文京区本駒込2-27-10  03-5319-1910
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