CASES 症例紹介
ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。
一般外科症例

軟口蓋過長の犬の1例(短頭種気道症候群、いびき、呼吸苦)

ブルドッグやパグ、ボストンテリアなどの鼻が短い犬種のことを総称して短頭種ということがあります。


彼らはマズルが短いという大きな特徴の他に、先天的に様々な呼吸器の障害を抱えていることがあります。
①外鼻孔(鼻の穴)が狭い ②軟口蓋(喉の奥にある)が長い ③気管低形成 ④喉頭小嚢の外反 
など、これらの構造的異常をもつものを「短頭種気道症候群」と総称します。
ほとんどの短頭種はこれらのうち何かしらを持っており、飼い主様においても非常に注意されていると思います。


今回ご紹介する症例は9ヶ月の雄のイングリッシュブルドッグです。
この症例は去勢手術のために各種検査を行いました。
院内では常に呼吸が荒く、見た目で軽度の外鼻孔狭窄とレントゲン検査で軟口蓋過長と気管低形成をみとめました。
後日全身麻酔下で去勢手術と軟口蓋切除を実施しました。


上の写真は気管挿管時に軟口蓋を牽引した画像です。
軟口蓋は非常に分厚く、気管の入り口に覆いかぶさるように存在していました。
手術では軟口蓋の辺縁を切除しました。


こちらが手術した後の喉頭の様子です。
先ほどの写真とは異なり、気管の入り口がしっかりと確認できるようになり、より気道が確保できています。

本症例はその後に喉の腫れもなく、呼吸状態は良好に退院しています。



軟口蓋過長や外鼻孔狭窄などを持つ子ではそれらに続発して、気管虚脱や喉頭虚脱、喉頭小嚢の外反が起こると言われており、
早期にこれら2つに対する手術を行うことで、重篤な状態へ移行することを予防できると言われています。

短頭種気道症候群の症状でお困りの方はお気軽にご相談ください。


文責:獣医師 志良堂

本駒込動物動物病院
〒113-0021 文京区本駒込2-27-10  03-5319-1910
(豊島区・北区、駒込駅・千石駅近く)
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