CASES 症例紹介
ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。
一般外科症例

緑内障の犬の1例

緑内障とは、様々な原因により眼圧が上昇し、進行すると失明する疾患です。

眼圧の上昇は、前房といわれる領域に存在する液体(前眼房水)の流れが悪くなることで起こります。前眼房水は、隅角と呼ばれる出口から排出されますが、この隅角が閉塞したり狭くなることによって眼圧の上昇が起こります。眼圧が上がると眼の充血や角膜の白濁、痛みによるしょぼつき等の症状がみられます。



緑内障は原因によって続発性緑内障と原発性緑内障に分類されます。それぞれ治療法が異なるため、眼圧測定の他にも幾つかの検査が必要です。続発性緑内障は、他の疾患(ぶどう膜炎、水晶体脱臼、眼内腫瘍、網膜剥離など)により前眼房水の排泄が阻害されて起こる疾患であり、原疾患の治療が必要となります。一方、眼圧が上がる他の疾患がないものを原発性緑内障と呼びます。緑内障の原因や進行の程度に合わせて内科および外科治療から適切な方法を選択して治療を行います。



今回紹介する症例は、13歳、去勢オスのヨークシャーテリアです。右眼の視覚がなく、眼球摘出の手術を希望して来院されました。眼圧は左眼が14mmHg、右眼が47mmHgであり、右眼は正常値の10-20mmHgを超えていました。既に右眼は失明していたことから、疼痛軽減を目的として眼球摘出を行うこととなり、当グループ病院にて手術を実施しました。


写真は手術前(左上)と手術翌日(右上)、術後1ヶ月(下)の右眼の外貌です。
術後、院内では自由に歩き回る様子がみられました。左眼の視力は残っているため、お散歩に行くことも出来ます。


眼の疾患には遺伝や免疫介在性の疾患、感染症、外傷などがあり、病態や治療期間も様々です。眼の充血や白濁、目ヤニなど気になる症状があればご相談ください。


文責:獣医師 佐藤

本駒込動物動物病院
〒113-0021 文京区本駒込2-27-10  03-5319-1910
(豊島区・北区、駒込駅・千石駅近く)
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